知っ得情報 ≪やはり考えておきたい「遺産相続」≫
皆さんの中に、相続は遺された者がうまくまとめてくれるだろうと、考えている方がありますか。
旧民法では相続は家長の権限の元にまとめられていたのでしょうが、新民法で均分相続となってから久しく、今では相続人
の権利意識が確実に高まっています。まして現代のような生きづらい世の中で教育費などの負担が
かかるとなると、誰しもが無関心ではいられません。相続は扱う額が大きくなるため、いったん争
いが生じると収めることが難しくなり、また解決した後も、壊れた人間関係の修復が困難という面
があります。
最近では、遺言信託が流行と新聞では書き立てています。相続争いを避けるために遺言を活用する
ということは賢い選択です。遺言を遺すには遺言信託を利用する以外にも、簡単なところでは、
自筆遺言証書というものがあります。これは全文自筆で書き、日付と氏名押印があれば形式が整い
ます。
しかしながら、家庭裁判所での検認が必要であったり、本人の意思に基づくものかどうかに
ついて争いが生じたり、預金がスムースに下ろせないケースや紛失、隠匿など、それなりの短所も
あります。遺言信託とは公正証書遺言を信託銀行が預かり、遺言執行まで信託銀行にお願いするシステムでありますが、衣
を外せば公正証書遺言ということです。
遺言は直接、公証役場に持ち込んで公正証書にすることもできますし、信託銀行に委託する以外にも、行政書士や弁護士と相談しながら進めていくという選択肢もあります。依頼する機関によっては相当の費用がかかる場合があるため、
賢い選択が必要になります、一般的には信託銀行による遺言信託は、資産家でないと利用しづらいと言え
るでしょう。また、担当者はサラリーマンゆえに数年のうちには人事異動でいなくなるため、末永く同じ担
当者にお願いしたいと考えている方には不向きと言えると思います。
なお、法廷相続割合とい
うものがありますが、正確に按分していくことは困難です。したがって実際は遺
留分に注意しながら、落ち着きどころを決めていくことになります。いまだ負債があるなどの場合は、遺産に手をつけると単純承認とみ
なされ、相続放棄や限定承認ができなくなり、取り返しのつかないこととなる場合かあるため注意が必要です。
行政書士 森満夫