2005年6月24日(金) 埼玉新聞より 「死後」託す伝言「もしもノート」好評、1万3千部 浦和区のNPO
文書による生存の意思表示(リビング・ウィル)に関心が高まっているが、浦和区のNPO法人「ライフ・アンド・エンディングセンター」=LEC(須齋美智子代表)が発行した、事故や急病などいざという不測の事態に備えて自分の終末期医療に対する考えなどを記載する冊子「もしもノート」(A4判、三二ページ)の売れ行きが好調だ。
延命治療の是非などのほか、緊急時の連絡先、パソコンのデータ処理方法などの欄がある。昨年九月の発行以来、増刷を重ね、これまでに約一万三千部が売れる人気ぶり。須齋代表によると中高年からの注文が多く、単身者や夫婦そろって買い求めるケースも増えているという。
「もしもノート」では、まず交通事故などで、救急車で病院に運ばれた場合を想定し、緊急時に必要なことを自身で確認する。
「あなたが単身の場合、連絡先はありますか?」「かかりつけの病院は?」「保険証の在りかは?」「貯金は?」「生命保険の加入の有無」「ローンや買い物の未払いは」などの質問に関するデータを記入する。
重症時の延命治療や献体、臓器移植についても自分の意思を書く。
LECは、自分らしい生き方や死に方をテーマに、これまで介護、終末、終末期医療、葬送などの講座を開催。「ノート」は、実際に葬儀の企画をサポートする中で、終末に自分の意志を伝えられない人や、残された人が本人に確かめようもなくて困惑する様子を目の当たりにしたのをきっかけに作成した。
厚生労働省の「終末医療に関する調査」(二〇〇三年十一月発表)で、リビング・ウィルに賛成した人は六割に達している。須齋代表は「緊急時に周りがあわてないためにも記録は必要。ノートはあなたの分身です」と話す。
先月、夫を急病で亡くした市内在住の六十代の主婦から須齋さんに電話があった。彼女は「夫の死に直面し、あわてて夫用のノートを開くと全てのページがきちんと記入してあったので助かった」と感謝。
その夜、病弱な主婦は息子のために中途半端になっていた自分のノートの余白を一晩がかりで埋めたという。
同ノートは、四百二十円。問い合わせは、LEC(電話048・856・5673)。